11月11日は「チーズの日」。今年25回目を迎えたチーズの記念日です。

文武天皇と蘇

〔ナオコさん〕『今年ももう11月。

そして今日は、11月11日。

11月11日と言えば、そう《チーズの日》ですね。

ご存知でしょうか?』

試しに何人かに質問してみますと、「ポッキーの日」と張り切ってお答えする方が大多数でした。

なるほど〜。

さすが、国民的人気のポッキーですね。

私も好き。

それに「11月11日」って、象形文字ではありませんが、見た目がね、もう、本当にポッキー。

とても分かりやすい。

(ところで、正式には「ポッキー&プリッツの日」だそうです。)

それに比べますと、「11月11日は、チーズの日」の知名度は、まだこれからのようですね。

でも、チーズの需要は年々とても高くなっていますので、伸びしろはありますね。

今回で少しでも多くの方に知っていただき、チーズにより深く幅広く触れて頂くきっかけになれば、とても嬉しいな〜と思います。

〔ナオコさん〕 『《チーズの日》は、日本輸入チーズ普及協会とチーズ普及協議会が1992年に制定しました。

今年(2016年)で25回目を迎えます。

ちなみに「ポッキー&プリッツの日」より歴史は古いのですよ〜。』

ところで、どうして「11月11日」なのでしょうか?

約1300年前のいにしえの日本に、「蘇(そ)」というチーズようのものが在りました。

乳をゆっくりと数時間にも渡り、焦げないように煮詰めて造られる「蘇(そ)」は、日本のチーズ文化のルーツでもあります。

大和国(今の奈良県)の飛鳥が日本の首都だった飛鳥時代、西暦700年〈第42代文武(もんむ)天皇4年〉の10月、時の朝廷が献上品として「蘇(そ)」の製造を諸国に命じました。

当時の古文書「右官史記」に「文武天皇四年十月。遣使造蘇。(使いを遣わし蘇を造らしむ)」と記されたその記録が、日本のチーズ(乳製品)に関する記述としては最古のものであることから、11月を(旧暦の10月を新暦に置きかえると11月になります)、そして覚えやすいようにと、『11月11日』を「チーズの日」と制定したのです。

その頃の平城宮跡や長屋親王邸跡から出土された木簡(木の板に書かれた記録や文書)にも「蘇」に関する記述があり、その存在が確認されています。

その後の平安時代でも、身分の高い人達の間で、「蘇」は大変貴重なものとしてとても珍重されていました。

乳を何時間も根気よく、ゆっくりゆっくり焦げないように煮詰めて造られる「蘇」は、当時、それはそれは大変な贅沢品でした。

神聖な神様への供物であり、貴族や僧侶の薬や食物でもありました。

大変な贅沢品であったことから、その時代、上流階級の人々だけが、「蘇」を口に出来たのです。

庶民にとっては、乳そのものでさえ無縁のもの。

その乳を煮詰めてつくられる僅かな量の「蘇」となれば、それはもう手の届かない夢のようなもの。

「蘇」とはそんな存在でした。

今私達の生活にあるチーズ(乳製品)とは、とてもかけ離れた存在だったのですね。

ところで、以前私は「蘇」を再現したことがあります。

諸説ある色々なレシピから、私にも出来そうな比較的簡単なレシピを選びました。

ちなみに、どのレシピにも共通していることは、

《乳を、煮詰めて固める》

なんともシンプルです。

〔ナオコさん〕 『そうそう、作ると分かりますが、「蘇」って美味しくて、しかも可愛い〜ですよ〜。』


ところで、毎年11月11日の《チーズの日》には、チーズフェスタというチーズのイベントが二日間に渡り催されます。

興味のある方は是非。

戦後、近代からのイメージが強い日本のチーズの歴史ですが、遥か昔、万葉の頃にはチーズようのものが存在していました。

いにしえの当時に思いを馳せると、いつもの身近なチーズが、また一味も二味も違ってくるかもしれませんね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました