ブリー・ド・モーがよく分かる役に立つ 楽しく学ぶチーズの話

ブリー・ド・モーとクレソン

〔ナオコさん〕『こんにちは♪
今回は、世界的にも有名で人気の高いフランスの代表、牛乳製白カビタイプの「ブリー・ド・モー」のご紹介です。』

「チーズの王様」とも称されるそのチーズは、白カビタイプとしてはとても大型で、直径36〜37cm、高さ2.5cm、重さ2.5〜3kg程もあります。
日本でも人気の高い白カビタイプの「カマンベール」と比べますと、かなりの大きさです。重さにして約10倍以上はありますね。

ブリー・ド・モーは、フランスのイル・ド・フランス地方が原産で、今はシャンパーニュ=アルデンヌ地方等も含むパリ盆地東部一帯で造られています。
名前に冠している「モー」は、産地であるイル・ド・フランス、ブリー地方のモー村(今は都市)に由来します。(モー市はパリから北東50kmに位置します。)

〔ナオコさん〕ブリー・ド・モーは、数多くあるナチュラルチーズの中でも歴史が古く、西暦8世紀には造られていたそうです。』

当時、ヨーロッパの広い地域を征していたフランク王国の王シャルルマーニュ(カール大帝)はブリー・ド・モーを食べ「余はまさに極上の一品を発見した!」と言い、大変喜んだといわれています。

時は流れ、12世紀にはフランスの宮廷でもてはやされるようになります。
そして18世紀のフランス革命時、逃亡中のフランス国王ルイ16世とマリーアントワネットがブリー地方のヴァレンヌという町で捕らえられた時に所望した食べ物が、ブリー・ド・モーだと言われています。(諸説有り)

〔ナオコさん〕『歴史が長いだけあり、逸話も多いですね。そして同時にブリー・ド・モーが魅力的なチーズであることがよく分かりますね。次の逸話もそれを裏付けしてくれますよ。』

ブリー・ド・モーを一躍有名にしたのは、ナポレオン戦争後の1814年に開かれたウィーン会議での事。ヨーロッパ諸国の大使達が集まる晩餐会で行われたチーズの品評会で、50以上あるチーズの中から満場一致で「チーズの王様」の異名をとったのです。

ブリー・ド・モーはパリ近郊で造られていたことも幸いし、長い歴史の中で宮廷の王候貴族達にもてはやされ、歴代の王達にも愛されてきました。そしてもちろん庶民にも愛されたチーズであり、それが今では世界中で愛されています。

ブリー・ド・モーとフランスパン

歴史も古く逸話の多いブリー・ド・モー、 1980年にはAOC(原産地呼称統制)に認定されました。
その為、今も尚、 定められた環境下で無殺菌乳を使い伝統的な手法で造られており 、その味わいと共に守られています。

熟成が進みますとねっとりと柔らかくなり、切り口からは少し黄みがかった中身がはみ出す程になります。表面の白カビには、赤茶色の縞や斑点が見られ、無殺菌乳で造られる白カビタイプならではの旨みとコクが増し、余韻を残す深い味わいになります。ミルクの味わいの中にナッツのような香ばしさや、日本の沢庵のような漬け物に似た風味も感じられます。

〔ナオコさん〕『熟成が進み切り口からはみ出る状態になりますと、見るからに美味しそうです♪』

「今、美味しいでーす♪今、食べて下さーい♪」と、シグナルを送っている様です。この醍醐味は、やはりナチュラルチーズならではですよね。
販売時にチーズがこの状態ですと、少なからず気分が高揚しついついPRにも力が入ります。まるで自分が造ったかのように錯覚し、なんとも誇らしげな私がいます(笑)でも、それぐらい熟成具合は大事ですよね。実際、売れ方にも大きく影響します。

ところで、見た目が真っ白の外皮でとても食べやすく、100g当り500円程でよく販売されている「ブリー」と、今回の「ブリー・ド・モー」は違うものになります。

手頃で食べやすい「ブリー」は、同様にフランス原産ですが、殺菌した牛乳を使い工場等で量産されています。このタイプはフランス国内はもちろんですが、日本を含むフランス国外でも造られています。
癖がなくてとても食べやすい優しいミルクの味わいで、後味がさっぱりとしているのが特徴です。

対して「ブリー・ド・モー」ですが、AOPに認定されていますので(以前はAOCでしたが今はAOP)、産地や牛の種類や製法等々が厳格に守られています。
日本では、法律上(乳等省令等では)原乳を殺菌しなければいけないという記述はありませんが、行政指導があり無殺菌乳のチーズは奨励されていませんので、ブリー・ド・モーのようなチーズは生産されていません。
無殺菌乳で造られるブリー・ド・モーは、まさに本場の味と言えるでしょう。

〔ナオコさん〕『ところで、日本ではブリーよりもカマンベールの方が有名ですが、実はこのブリー・ド・モー、カマンベールのルーツとも言われています。』

「西のノルマンディ、東のブリー」と対比され、共にフランスの代表チーズですが、元々はブリー・ド・モーの製法がノルマンディ地方に伝わりカマンベールが造られるようになりました。
カマンベールの歴史はまだ約200年程ですが、ブリー・ド・モーの歴史は、優に1000年以上にもなります。凄いですよね。

フランスの人々が愛してやまないブリー・ド・モー。
チーズを食べ尽くしたフランス人が、人生の最後に選ぶチーズは「ブリー・ド・モー」とさえ言われています。

如何でしょうか?
そこまで聞いたら一度は食べてみたくなりませんか?
もちろんワインにもよく合います。特にブルゴーニュの赤ワインやボルドーの赤ワインにお勧めです。コクのある白ワインもいいですね。雰囲気を変えて焼酎等も如何でしょう?
普段のお食事にはもちろんですが、これからのパーティーシーズン、是非おもてなしにお勧めです。

それだけで華のある世界が認めるフランスのチーズの王様「ブリー・ド・モー」、是非一度お試し下さい♪



こちらのサイトにも詳しく載っています

https://www.pablo3.com/cheesebook/types/brie/
ブリ・ド・モー | チーズの名称 | チーズ辞典 | チーズクラブ | 雪印メグミルク株式会社
ブリ・ド・モーは、パリの東からシャンパーニュまでのブリ地方を代表する白カビタイプのチーズです。同じ地域でうまれた「ブリ・ド・ムラン」「クロミエ」と合わせて、「ブリ3兄弟」と呼ばれています。日本では白カビのチーズと言えばカマンベールが有名ですが、ブリーチーズはカマンベールよりもさらに古い歴史を持ちます。

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